【函館・北斗・七飯の工務店】壁の中の断熱材について〜容積比熱という視点〜
2026/03/23/ UP
こんにちは、辻です。
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家を建てるとき、壁の中に何が入っているか気にしたことはありますか?
外から見ても、完成した室内を見ても、断熱材は目に見えません。 でも実は、断熱材の種類や施工方法によって、住み始めてからの快適さ・暖かさ・光熱費が大きく変わってきます。
今日は辻木材が採用している断熱材「ダンパック(セルローズファイバー)」と、一般的に多く使われているグラスウールなどの繊維系断熱材の違いについてお話しします。
中でも今日は「容積比熱」という、あまり聞き慣れないけれど断熱材選びにとって非常に重要な性質に絞って掘り下げます。
よく使われる繊維系断熱材とは?
繊維系断熱材の代表格が「グラスウール」です。 ガラスを繊維状に加工した素材で、コストが低く施工実績も多いため、全国の住宅で広く使われています。
断熱性能を示す数値として「熱伝導率」がよく使われます。 熱伝導率は数値が低いほど熱を通しにくく、断熱材の性能比較としてはわかりやすい指標です。
実はグラスウールとセルローズファイバー、熱伝導率の数値はほぼ同等です。 ならばコストの安いグラスウールでいいのでは?と思われるかもしれません。
ただし、断熱材の実力を語るうえで熱伝導率だけでは見えてこない重要な性質があります。 それが「容積比熱」です。
容積比熱とは何か?
容積比熱とは、1m³あたりの断熱材がどれだけの熱量を蓄えることができるか、つまり「熱をどれだけ蓄えられるか」を示す数値です。
熱伝導率が「熱を通しにくさ」の指標であるのに対して、容積比熱は「熱を溜め込む力=蓄熱力」の指標です。
容積比熱が高い断熱材ほど、急激な温度変化に対して緩衝する力が強くなります。 つまり、外気温が急に下がったときも室内温度がすぐには落ちにくく、温度変化が穏やかになるということです。
主要な断熱材の容積比熱を比べると、その差は明確です。
グラスウール(16K)の容積比熱は約13.4 kJ/(m³・K)です。
一方、セルローズファイバーの容積比熱は約85.2 kJ/(m³・K)です。
グラスウールの約6〜7倍の蓄熱力があるということです。
熱伝導率ではほぼ同等の性能に見えるのに、蓄熱力では6〜7倍もの差がある。 断熱材選びで熱伝導率だけを見ていると、この大きな差を見逃してしまうことになります。
蓄熱力の差が暮らしにどう影響するのか
この差が実際の生活にどう影響するか、具体的にイメージしてみてください。
たとえば、暖房を切って就寝したとします。 蓄熱力の低い断熱材を使った家では、壁が蓄えている熱量が少ないため、深夜から朝にかけて室内温度がどんどん下がります。 起床時には室温がかなり低下しており、暖房を再起動しても室温が上がるまでに時間がかかります。
一方、セルローズファイバーのように容積比熱の高い断熱材を使った家では、壁自体が熱をたくさん蓄えているため、暖房を切った後も室温の低下が緩やかです。 朝起きたときにもある程度の温度が保たれており、暖房の立ち上がりが短くて済みます。
これが毎日積み重なると、光熱費の差にもつながります。 断熱性能の数値(UA値)が同じでも、容積比熱の差によって実際の暮らしの快適さや光熱費は変わってきます。
函館・北斗・七飯エリアは冬の寒さが長く続きます。 この「蓄熱力」の差は、南の地域よりもはるかに大きな影響を与えます。
また、蓄熱力の効果は夏にも出ます。 夏の屋根面は日射により一日で大きく温度変化しますが、容積比熱の高い断熱材は外からの熱が室内まで伝わりにくく、夏の暑さにも強い家になります。
施工精度の違いが断熱性能を左右する
ここで一枚、写真をご覧ください。
これは辻木材のショールームの窓を改装した際に、外壁を外側から撮影したものです。 柱と柱の間に、ダンパックがぎっしりと吹き込まれているのがわかります。
特に注目していただきたいのが、写真中央下部です。木材の節の部分にまで、複雑に入り組んだ部分にもダンパックがしっかりと入り込んでいるのが確認できます。
グラスウールはボード状・ロール状の素材を手で切り貼りして壁の中に充填します。 柱と柱の間の単純な空間であれば比較的充填しやすいですが、電気配線のまわり・間柱の斜め部分・金物のまわりなど複雑な形状の箇所では、どうしても隙間が生まれやすくなります。 この隙間が断熱欠損となり、壁全体の断熱性能を下げてしまいます。
ダンパックは専用の機械で綿状の素材を壁の中に吹き込むブローイング工法で施工します。 写真のように、複雑な形状の隙間にも密着して充填されるため、施工ムラが出にくく、安定した性能が発揮されます。 この写真に写っている斜めの木材のまわりまでしっかりと断熱材が充填されているのは、グラスウールの手充填施工ではなかなか実現できない状態です。
壁体内結露と断熱材の選択
北海道の住宅で特に重視すべきなのが壁体内結露のリスクです。
壁体内結露とは、外気で冷やされた壁の内側に、室内の暖かい空気に含まれる水蒸気が触れて結露する現象です。 目に見えない壁の中で起きるため、気づかないうちに進行し、木材の腐食やカビの原因となります。
グラスウールは一度水を吸うと断熱性能が著しく低下します。 水分を含んだ状態では乾燥しにくく、長期間にわたって木材に悪影響を与え続けます。
セルローズファイバー(ダンパック)は木質繊維ならではの吸放湿性を持っており、湿気を吸収しながら条件が整えば放出する働きがあります。 これにより、壁体内結露が発生しにくい環境をつくります。 また、撥水処理がされているため万一の雨漏りがあっても水を吸い込みにくいという特性もあります。
辻木材の断熱性能について
辻木材では全棟HEAT20 G2グレードを保証しています(HEAT20認証システム認証取得・第23-008号)。
UA値(外皮平均熱貫流率)は0.28以下を保証していますが、直近20棟の実際の平均UA値は0.24程度です。
函館市は地域区分3で、断熱等級4のUA値基準は0.56、等級5は0.5ですが、辻木材の標準仕様はその基準を大幅に上回っています。 北斗市・七飯町は地域区分2で、断熱等級4のUA値基準は0.46、等級5は0.4ですが、こちらも辻木材の標準仕様が大きく超えています。
断熱材の性能だけでなく、窓の仕様・気密性・換気計画など家全体のトータル設計で断熱性能は決まります。 辻木材ではヒアリングから仕様打ち合わせ、現場監理まで全棟私が担当しています。
著書「本当の家」の中でも、断熱・温度・快適さは家族を守る「本当の家」の根幹であると書いています。 外観やデザインだけでなく、壁の中の性質こそが10年後・20年後の暮らしの質を決めるということです。
断熱材を選ぶとき、熱伝導率だけでなく「容積比熱」という蓄熱力の観点でも考えてみてください。 それだけで、断熱材選びの見え方がまったく変わります。
壁の中の断熱材について、もっと詳しく話を聞きたいという方はぜひ見学会やモデルハウスへお越しください。









代表の辻です。スタッフ全員でお客様の家づくりに真摯に取り組み、プロとしてお客様に良い家を提供していきます。