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【函館・北斗・七飯の工務店】外から間取りが見えない家 ― 辻木材がデザインに重きをおく設計の理由

外から間取りがわからない。

これは今の辻木材の家づくりにおいて、会社全体が共有する家づくりのキーワードです。

なぜこの考えに至ったのか、少しお話しさせてください。


北海道の「当たり前」に、衝撃を受けた日

2019年、私が辻木材の代表になることが決まり、翌2020年に代表に就任いたしました。

当時の住宅業界は、1990年代後半から続くローコスト住宅が全国でシェアを広げていた時代で、辻木材もローコスト住宅を建てていました。私自身、函館に戻る前は本州で現場の経験を積んでいて、戻ってからはその経験を活かし、同じ予算でも品質を上げる方法や、同じ材料でもコストを抑える工夫を、いくつも試していました。

ただ、どうしても変えられないことがありました。光熱費です。

北海道の家は光熱費がかかる。一冬で6〜7万円、年間を通せば40万円以上を光熱費に払う。これが、この土地では「当たり前」でした。

けれど私が現場を経験した本州は温暖で、そこまで光熱費はかかりません。北海道の当たり前が、当たり前ではないということ。そのことに衝撃を受けたのを、今でもはっきり覚えています。

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ローコストが、ローコストでなくなった

2020年頃、コロナによって家づくりを取り巻く環境は大きく変わりました。

見学会は予約制になり、ウッドショック・アイアンショックと呼ばれる需要と供給の急変が起こります。材料の価格が上がり、ローコストがローコストでなくなる、ということが現実に起き始めていました。

私は、建物そのものの付加価値を上げなければ生き残れないと感じ、大幅な性能の強化に踏み切りました。当時の函館ではまだ珍しかった断熱性能の大幅な引き上げ、設備保証の標準化、そして標準仕様そのもののグレードアップ。これまでの住宅に、見えない価値を積み重ねていきました。

あの本州での衝撃が、ここに繋がっています。北海道の家から、あの重い光熱費をなくしたかったのです。

性能だけでは、足りなかった

性能を突き詰めていく中で、もう一つ見えてきたことがありました。

見えない性能はもちろん大切です。けれど、家のデザインも同じように大切なこと。住み始めてからの快適さも、毎日を過ごす空間の心地よさも、どちらも欠けてはいけない。辻木材は、住宅のあり方をそう位置づけ直し、内外装のデザインにも力を入れていくことにしました。

ただ、ここで正直にお伝えしなければならないことがあります。

大量生産に近いローコスト住宅の作り方をしてきた会社にとって、内外観のデザインを提案し、つくり込んでいくことは、決して得意な分野ではありませんでした。工数のかけ方も、考え方も、これまでとは違う。簡単な道ではありませんでした。

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だから、私が自分でやると決めた

それでも、大切なことは一つだと考えました。

お客様の側に立つこと。

お客様の要望に、本当に応えきる家をつくるために。数年前から、私自身が設計とエ事を直接担当することに決めました。現場上がりの私が、図面を引き、現場に立つ。会社の代表が、一棟一棟の最も近いところにいる。それが、お客様の側に立つということの、私なりの答えでした。

その考えで建てた、最初の一棟

そうして「外から間取りがわからない家」という考えで建てた、最初のお客様の家があります。

この家は、代表である私自身が、設計のためのヒアリングから現場監理まで、すべてを直接担当した最初の一棟でもあります。図面を引くところから、現場に立って一つひとつを見届けるところまで。私が「お客様の側に立つ」と決めて、初めてその通りに動いた家です。

とても慎重に、納得しながら家づくりを進められる方でした。光熱費という見えないコストの話にも深く共感してくださり、私たちの考えを信じて任せてくださいました。

この家の外観で、まずこだわったのは塗り壁です。

道路に面する手前の面には、窓を一切設けていません。塗り壁だけを感じる、無垢の一面。せっかくの塗り壁だからこそ、その素材そのものを味わえる場所が欲しかったのです。余計なものを足さず、引くことで、素材を主役にする。

そして上下の窓は、コーナーサッシで高さを揃えてデザインしました。窓の位置が揃うことで、外から見たときに、どこがリビングでどこが個室か――間取りが読めなくなります。外観は「中身の都合がそのまま出た形」ではなく、最初に意図してつくられた佇まいになる。

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内装はオーク系の木でまとめ、木の質感を効かせました。階段はオリジナルで、段板を支える蹴込みの板をあえてなくしています。これは、北側からの光を1階まで届けるための工夫です。光が階段を抜けて、下まで落ちていく。

性能も、デザインも、どちらも諦めない。その考えを、一棟まるごとで形にした家でした。

ご縁が、次のご縁を呼んで

この家がきっかけになって、ご縁が次のご縁を呼んでいきました。住んでくださっている方が、また次の方を連れてきてくださる。

数年前のあの決断が、間違っていなかったこと。それを証明してくれているのは、私の言葉ではなく、お客様お一人おひとりです。


外から間取りがわからない家。

その一行の裏には、ここでお話ししたような考えがあります。これから「辻木材のデザイン」として、一棟ずつ、その設計に込めた意図を書いていこうと思います。

家は、性能で選ぶものでも、デザインで選ぶものでもなく、その両方で、これからの暮らしごと選ぶもの。そう信じています。

次回も、ぜひお付き合いください。

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